花葬


みにくいギザギザの歯が怪しくひかる怪獣に鳴かれ追いかけられてヘトヘトになってる。あたしはずるい。あたしはよわむし。あたしはきたない。あたしはうそつき。こんなあたしに向かって、「ごめんね。君に嫌われたくない。ごめんね。ごめんね。」明け方のベッド、わたしよりはやく眠りに堕ちてゆく恋人に言われてわたしは眠れなくなった。あたしはできれば恋人が眠ったあとに目を閉じて、恋人が起きる前に目を覚ましたい。いっそのこと君に独占されるだけの人生でもいいって、本気で思っちゃってるよ。ダメかな。