十 十 十

朝、目覚めると窓の外には台風が過ぎ去ったあとの清々しい空気と眩しすぎる太陽に青い空が広がっていた。赤い猫は昨夜の台風の影響で学校が休講になると信じていたので目の前の景色を疑った。目覚まし時計をセットしていなかったのだ。そして赤い猫は自主休講することにした。
昼間っから喫茶店で読書をしたり煙草をふかしているサラリーマンは一体何をしているのだろう。朝、奥さんや子供たちに行ってきますを言って家をあとにした後、通勤ラッシュの満員電車に揺られ会社には行かずどこかの公園でお弁当を食べ、喫茶店やパチンコ屋さんで暇を潰しているのでは。夕方になってまた帰宅ラッシュの満員電車に揺られ自宅に帰り、今日も上司が〜などとほざいているのでは。会社はとうに首になっているのに。と無駄な妄想を繰り広げている。奥さんや子供が可哀想だわ、この先この家族は路頭に迷うことになるわね。なんて要らない心配までしてしまう始末。だけども、わたしはその典型的な例なので頭が上がりませんでした。